令和5年 診断士試験 財務・会計 Review 

はじめに

令和5年の中小企業診断士第1次試験を受験された皆様、大変お疲れさまでした。

試験から2週間近くが経過しましたが、財務・会計の1次試験について、私なりに気づいたことを記事にしたいと思います。

なお、本記事の内容については、先日アップした動画の総論部分を要約したものです。

会計分野のウェイトが高い

令和5年度の出題数25問中15問が会計分野からの出題で、会計分野からの出題が全体の6割を占めます。

会計分野からの出題数が15問になったのは令和2年からのようですが、会計分野の出題ウェイトが高い傾向が続いています。

会計分野の難度が高い

今年の問題を見て最初に感じたのは、会計分野の難度が高いということです。これは昨年(令和4年)試験を受けた時にも感じたのですが、今年はこの傾向がより強まったと思われます。

会計分野はその性質上、幅広い分野からの出題が可能であること、また、同じテーマでも論点を変えて出題すれば問題のバリエーションを広げることが可能なので、出題範囲が絞りにくいという点があります。

さらに、会計の場合にはインフラ的なスキルに相当する「簿記」の問題もあります。

一方、ファイナンス分野も難し目の問題を作ることはできると思いますが、電卓が使えない1次試験においては、複雑な計算問題を出すことができません。その結果、ファイナンス分野は出題論点が比較的限定されており、対策が立てやすいと思われます。

今年の特徴的な問題

令和5年の問題を見て個人的に特徴的だと感じたのは、第2問(200%定率法)、第6問(法人税法の別表4)です。

これらは、税務の処理そのものを問う問題であり、過去に見られなかった出題だと感じました。

税務と言うと、1次試験にもしばしば出題される「税効果会計」。
しかし、「税効果会計」は(会計と税務の差をいかに会計処理に反映させるかという意味で)あくまで会計の領域の話です。

今回のように、税務の領域をストレートに問う出題は特徴的と感じました。

令和6年度以降に向けて

令和6年度の本試験出題予想をするのは難しいですが、会計領域の問題よりも財務(ファイナンス)領域の問題の方が対策を立て易いので、ファイナンス分野でしっかりと点数を稼ぐことが必要だと思います。

会計分野の方は範囲が広いためやや対策は立てにくいのですが、まずは過去問の頻出論点を押さえる必要があると思います。

また、昨年始めて出題された「サステナブル成長率」が今年も続けて出題されるといった実績もありますので、「前年出た問題は出題されない」とか、「この問題は捨て問」とか決めつけてしまうことはリスクが高いと思います。

特に、秋口や年内といった比較的早い時期から1次試験の勉強(「財務・会計」の勉強)を開始する場合、少し前の年度の過去問まで遡って幅広に対策する必要があるかもしれません。

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